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■ 木目は木の生き方そのものです

木には木目があります。その木目は、人でいうところのシワのようなものでしょうか。樹齢400~500年の木にはたくさんの年輪があります。その年輪は決して穏やかに丸く丸くなっているわけではありません。

穏やかな年もあれば、荒れ狂う年もあったでしょう。喜ばしい年もあれば、悲哀の年もあったでしょう。それでも凛と立ちすくみ、一年一年を過ごしてきた。それが年輪に現れ、木地師の木取りの技術によって、また生かされる。

山奥深くに住む木地師の祖先は知っていました。木には限りがあることを。だから木を伐りすぎないよう、良材を求めて日本中の山々を移動することから「流浪の民」と呼ばれたのでしょう。

昔、木は人の生活と深く結びついていました。木を敬い、木を大切にする。その心が、木目を生かす木取りの技術へとつながりました。丸太の表面からでは見えない、木の内部の年輪を想像し板材にする。大きな木ほど癖がある。割れや虫がいることもある。木と相談しながら、木目を最大限に生かせるよう木取りを行っていく。木地師は決して主役になることはないのです。

■ 木目を生かす木取りは容易なことではない(乾燥中にあばれる木たち)

木地師は昔から雑木といわれる無垢の木(丸太)をよく使います。それは自分で木取りができるからです。木目を取り出す技術こそ、木地師の技術の一つなのです。栃の木など木目が出やすい木は、その分くるいやすく、加工がしにくいので敬遠されることが多いですが、そういう木を好むのが本来の木地師と言えます。

木目の良いものほど扱いにくい。普通ならまっすぐに伸びる木が、木のバランスが崩れ、木が縮んでいる。こういう木は最初からゆがんでいるので、製品にする時にくるいやすい。それを防止するため、私は荒繰りしたものを汁椀でも最低3年以上は自然乾燥させる。茶櫃など大きなものは特にくるいやすく、最低5年以上ねかす。

そして良い木目の木ほど乾燥中に割れやすい。轆轤で挽く時にも挽きにくい。鉋を研ぎ、様子を見ながら挽く。私は木と対話しながら轆轤を挽いている。それでも製品にならないものもある。

木目の種類から探す
木目の種類 写真 説明
当店ではおおまかに6つに分けていますが、調べてみると木の種類によって色々な木目があることが分かります。ぜひ、インターネットで調べてみてください。木目によって木材の値段もかわります。材料自体が何万~何十万とします。木はとても高価なものになりました。木目を取り出すためには大きな広葉樹林を必要とします。しかし私が住む岡山の木材市場には昭和50年代から私が好む木はほとんどでなくなりました。今は県外の木材市場に丸太を仕入れにいきます。そして私には後継者がいません。父から教わった木取りの技術を伝え残すことができないのが残念です。
板杢(いたもく) 丸太を縦に切った時に、中心からずれ外側にあるもの。身近によく見られる木目といえます。当店では欅の筍杢(たけのこもく)もこのグループに入れています(欅の筍杢は良材といわれます。)。
人生に例えるなら…穏やかな時を思い浮かべるかもしれません。なだらかな曲線。山のような形。のびのびと、ゆっくりした時間に見えます。
正杢(まさもく) 丸太を縦に切った時に、中心に近いところにあるもの。板杢よりとれる部分が少ないので板杢より高価です。建築材の場合、欅の正杢は高級品になります。
人生に例えるなら…決断を迫られた時、信念を貫く強さをあらわしているようです。ひたすら真っ直ぐに。青春時代のようです。
小口目杢(こぐちめもく) 汁椀や湯呑みによく使います。外側に年輪が見えるように木取りします。私の場合、一つ一つ時間をかけるので椀を大量に作ることができません。
人生に例えるなら…私には赤ちゃんから子ども時代に見えます。年輪が少しづつ大きくなっていく様がよくわかりますから。
縮杢(ちぢみもく) 木肌が縮んでいる木は、波のような木目がでます。このような木目を縮杢といいます。特に栃の木はとても綺麗な縮杢が出ます。波の間が狭ければ狭いほど良いです。その分、くるいやすので乾燥に何年もかけます。無垢の木から木取りを行う際、技術が必要となります。私の得意分野です。
人生に例えるなら…とにかく波乱万丈でしょう。木のバランスが崩れ、それでも倒れないよう、踏ん張り立ちすくむ。木目の間が狭いほど良いが、他の木よりもよっぽど苦労したのではなかろうか。
玉杢(たまもく) 木にコブがあると玉杢といわれる木目がでます。欅やタモの木の玉杢は特に綺麗です。その分高価になります。またコブがあると木の皮が中に食い込んでいるので、加工に時間がかかります。無垢の木から木取りを行う時に、技術が必要となります。私の得意分野です。
人生に例えるなら…「目の上のたんこぶ」といわれるとよくわかる。なければどんなに生きやすいだろう。しかし、共に生きるからこそ輝くこともできる。そんな感じがする。
孔雀杢(くじゃくもく) 縞柿などによく見られる黒い筋のある模様です。
人生に例えるなら…黒い筋。汚いと言えば汚い。それを木目として生かすことを人は選んだ。黒い筋がすべてを受け止めてくれるようだ。
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